大阪電気通信大学

混色を学ぶことを目的としたカードゲームの制作“いろ計算”

カードゲーム「いろ計算」

制作経緯

    私は小さい頃から絵を描くことが好きでしたが、小学生の頃は美術の授業が嫌いでした。その理由は、決められたモノを描くための「色を作ること」ができなかったからです。小学校に入るまでは自分の好きなように表現することができましたが、小学生になると現実に近づけることを求められ、そのための「色」を作ることに苦労しました。そこで、私のように色に苦手意識のある子どもが楽しみながら色について学べるゲームを作りたいと思いました。

ゲーム概要

   このゲームは、色を混ぜてできる「混色」を学ぶカードゲームです。
   18色の色を「足したり」「引いたり」し、何色ができるのかを答えます。遊び方は4種類あり、1人でも大人数でも遊べるよう工夫しています。様々な遊び方を通して混色を楽しく学んでもらいたいと考えています。

  • ジャンル:カードゲーム
  • 対象年齢:6歳以上
  • プレイ人数:1〜5人 
  • プレイ時間:15分程度

内容物

  • カード104枚
  • 説明書1枚
  • 色見本表・時間設定表1枚
  • 記録用紙1枚
カード
カード
色見本表・時間設定表
色見本表・時間設定表
記録用紙
記録用紙

準備物

  • ストップウォッチ(1人で遊ぶとき用)
  • タイマー(2人以上で遊ぶとき用)
  • 相手に手札が見えないようにするための箱などの仕切り

ゲームルール

■1人で遊ぶ

【ゲームの準備】

(1)記録用紙をゲームの邪魔にならない場所に置きます。

(2)すべての「問題カード」を表向きにし、カードをよくシャッフルします。これが山札となります。

(3)ストップウォッチと山札を自分のゲームがしやすい場所に置きます。

【ゲームの流れ】

(1)ストップウォッチを押しゲームをスタートします。

(2)山札の上からカードを1枚取り、問題を答えていきます。答えたら裏面の「答えカード」を確認します。

(3)正解したカードと、間違えたカードが混ざらないように注意し、山札とは違う場所に置いていきます。

(4)(1)に戻りすべてのカードを終わらせます。

(5)終わったらストップウォッチを止めます。

【ゲームの終了】

(1)間違えたカードの枚数を数えます。

(2)記録用紙にストップウォッチのタイムと間違えたカードの枚数を書きます。

(3)最後に[ストップウォッチのタイム+間違えたカードの枚数×1秒]のタイムを 計算し記録用紙に書きます。

(4)(3)で出たタイムが今回の記録です。どんどん記録を縮めていきましょう。

■2人以上で遊ぶ①

【ゲームの準備】

(1)すべての「問題カード」を表向きにし、カードをよくシャッフルし、山札を置きます。

(2)「時間設定表」を見てみんなの時間を確認し、タイマーを合わせます。

(3)じゃんけんで答える人の順番を決めます。

(4)最初に答える人はタイマーを次の番の人に渡します。

【ゲームの流れ】

(1)回答者は「せーの」と掛け声をかけ、同時に見えている山札の1番上のカードを山札の隣に「問題カード」を表向きに置き、次の問題(山札で新たに見えるようになった問題)に答えます。 次の番の人は「せーの」の掛け声と同時にタイマーを押します。

(2)時間内に答え、裏面の「答えカード」を確認し、正解の場合は自分のカードとして持っておきます。 間違えたり、制限時間内に答えられなかった場合は、山札の隣に置いたカードの場所に「問題カード」が表向きになるように重ねます。

(3)(1)に戻り山札がなくなるまで繰り返します。

(4)手に入れたカードの「★」の合計を数え、現時点での得点を他のプレーヤーと確認します。

(5)2分ほど休憩し、山札の隣に置いたカードの山を使い、後半戦を行います。

【ゲームの終了】

(1)山札がなくなれば終了です。

(2)手に入れたカードの「★」の数の合計を数えます。「★」の数が一番多かったプレイヤーの勝利です。

1人で遊んでいる様子
1人で遊んでいる様子

■2人以上で遊ぶ②

【ゲームの準備】

(1)自分以外のプレイヤーに見えないように仕切りを自分の前に準備します。

(2)すべての「答えカード」を表向きにし、シャッフルします。

(3)「答えカード」を表向きにしたまま、1人15枚ずつ配ります。

(4)配られたカードを仕切りの内側に入れ、他のプレイヤーに見えないようにします。

(5)「時間設定表」を見てみんなの時間を確認し、タイマーを合わせます。

(6)じゃんけんで答える順番を決めます。

(7)タイマーを次の番の人に渡します。

【ゲームの流れ】

(1)出題者が「せーの」の掛け声と同時に、手持ちの「問題カード」を1枚選び、表向きにして他のプレイヤーに見える位置に置きます。それと同時にタイマーをスタートさせます。

(2)プレイヤーは出題者が出した問題カードに対して答えの色を制限時間内に他のプレイヤーよりも早く解答します。

(3)答えた後、出題者は裏面の「答えカード」を全員に見えるように裏返し、最初に正解を答えられていたプレイヤーにその問題カードを渡します。

(4)次の出題者にタイマーを渡し、はじめに戻ります。

【ゲームの終了】

(1)手札がなくなれば終了です。

(2)手に入れたカードの枚数を数え一番枚数が多かったプレイヤーの勝利です。

■2人以上で遊ぶ③

【ゲームの準備】

(1)相手に見えないようにする仕切りを自分の前に準備します。

(2)難易度ごとにカードを分け、「答えカード」を表向きにし、シャッフルします。

(3)「答えカード」を表向きにしたまま、各難易度5枚ずつ、1人15枚になるように配ります。

(4)配られたカードを仕切りの内側に入れ、他のプレイヤーに見えないようにします。

(5)「時間設定表」を見てみんなの時間を確認し、タイマーを合わせます。

(6)じゃんけんで解答の順番を決めます。

(7)タイマーを次の番の人に渡しておきます。

【ゲームの流れ】

(1)出題者が「せーの」の掛け声と同時に、手持ちの「問題カード」1枚を選び、表向きにして他のプレイヤーに見える位置に置きます。それと同時にタイマーをスタートさせます。

(2)プレイヤーは出題者が出した問題カードに対して答えの色を制限時間内に他のプレイヤーよりも早く解答します。

(3)答えた後、出題者は裏面の「答えカード」を全員に見えるように裏返し、最初に正解を答えられていたプレイヤーにその問題カードを渡します。

(4)次の出題者にタイマーを渡し、はじめに戻ります。

【ゲームの終了】

(1)手札がなくなれば終了です。

(2)手に入れたカードの「★」の数の合計を数えます。「★」の数が一番多かったプレイヤーの勝利です。

2人以上で遊んでいる様子①
2人以上で遊んでいる様子①
2人以上で遊んでいる様子②③
2人以上で遊んでいる様子②③

テストプレイでの感想

テストプレイとして、友人やゼミの後輩に遊んでもらい、以下のような感想を得ています。いずれも肯定的なものが多く、混色について楽しく学んでもらえていると感じました。

  • 知らない色の混ぜ方を知れたこと。赤+青+黄色で茶色になることや、黄土色がどのようにできているかを知ることができた。知らないことを知る勉強になるところが良い点だと感じた。
  • ルールがシンプルである事に加え、発想によっては新しい遊び方も出来る所が良かった。
  • わかりやすくて、ポイント制で競う感じか良かった。
  • 問題と回答が見やすい。
  • 難易度に幅があり、競技性と教育性のバランスが上手く取れていた。

作者プロフィール

光成 沙綾

ゲーム&メディア学科

教育コンテンツデザイン研究室所属

コメント